mimiLotusのチャイのこと

10年間修行した『紅茶専門店ディンブラ』では、今をつくる大切な下地を、師匠からたくさん教えてもらいました。
師匠のレシピはアバウトで、チャイは色と香りで判断しろというものでした。『ディンブラ』では、チャイをセイロンミルクティー(インディアンミルクティー)と呼び、スリランカの上質な茶葉で上品な味に仕上げます。茶葉の繊維質を壊さないよう、煮込むときは混ぜない、牛乳は沸騰直前で火から下ろし、煮詰めない。あくまでも優しく、優しく。そうする事で、1人前である1ポット分(カップ3杯分)が、最後までくどくなく、さらりとライトに楽しめるのです。

ミミロータスのチャイ

鎌倉のお店『mimiLotus』ではその作り方を守りながら、自分なりにハーブやスパイス、フルーツ、チョコレートなどを組み合わせたアレンジチャイをオリジナルとして、開発していきました。

ミミロータスのチャイ

しかしネパールでは、全く正反対の作り方をしていました。
茶葉は乱暴にガンガン混ぜるし、煮詰めるし。鍋なんていつ洗っているかもわからないくらい使い込んでいる。けれどそれはそれで、彼らのグラス1杯で飲むパンチのあるチャイを作るには理にかなったやり方なのです。

ミミロータスのチャイ

郷に入れば郷に従えで、ネパールでは私もこの方法でつくっていました。作り方を全く正反対にしたわけなので、当然戸惑いもあったし、何が美味しさなのかも正直わからなくなる時もありました。

ミミロータスのチャイ

今私のつくるチャイは、修行時代、鎌倉のお店やネパールでの経験を全てあわせて出来上がったものです。
ネパール式の作り方に、自分の閃きからうまれる様々な食材を加えた完全オリジナルチャイ。
けれどこのかたちも、この先変わっていくかも知れないし、これで『完璧』も『正解』も、ないものです。

ミミロータスのチャイ

変わるもの、変わらないもの。

その時々の最高のバランスで、目の前にいる人をみながら、つくり続けられたらいいなぁと思います。