#39 Rajumに作ったチヤ

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39 Rajumに作ったチヤ

【My Chiya trip in Nepal】- Nepal-

『君は何のためにチヤを作りながらひとりで旅なんてしてるの?』

ネパールにいる間、何度も何度も聞かれた言葉。

その度に慣れない英語で思いを伝えることは想像以上にストレスで、いちから説明するのも億劫になっていた。
同時に、住み慣れた場所と続けてきた仕事や仲間たちと離れる選択をしたことに、孤独と限界を感じていた旅の終盤。

そんな時、ネパール最東の町ビラトナガル(Biratnagar)でRajumに出会った。

彼は今まで出会った誰よりも穏やかで、相手の目を見てまっすぐ話を聞く。
直感的に、彼には自分の気持ちを伝えたい、そう思った。

『今これやりたいからやってるの。1ルピーも貰えなくても。
他人から見たら何のため?っていう事でも自分にとって意味のある事ならそれでいい。
たとえ多少のリスクはあったとしても何の意味があるかは、その後の自分次第だと思ってるよ。』

異国の言葉で異国の人に一生懸命伝えた言葉。
どれくらい伝わったのかはわからないけれど、彼は黙って聞いていた。

『そうして旅をしてチヤを作って、ずっと出逢いの喜びを忘れないことは正しいよ。
君のチヤはエクダムミトチャ(最高においしい)だ。』

"エクダムミトチャ"は私にとって、最高の褒め言葉とコミュニケーション。

誤魔化さないで、ずっと伝えたかった言葉を何とか伝えられたこと。
そしてもらえた言葉。
シンプルに、嬉しかった。

何のためにチヤを作って、その先の何を見て旅をしているんだろう、自分の選択は正しいのだろうか。

「また会う日まで」
この言葉を重ねる毎にその疑問は大きくなっていたけれど、
誰も私の事など知らないこの街で、今日もチヤをつくれてよかった。
何も知らないこの地の風と匂いと湿度を忘れないようにしよう。

ただそれだけを、思った。