#04 ミャンマーのミルクティー・ラペイエ

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04 ラペイエ(ミャンマーのミルクティー)

【Lapheyei】

ミャンマーの今を思うと、胸が痛む。

ミャンマーには、大切な友人がたくさんいて、大切な想い出がたくさん、ある。

昨今のニュースの一片だけを見れば不安定な、混乱多き国に見える。
政治、政府という面からみれば確かにそうだ。

けれどミャンマーは、
ミャンマーの人々は、
私が訪れたどこの国よりも、
ホスピタリティがあると確信している。

現世で徳を積むことがBestwayだと信じる人々。
道に迷えば目的地まで送り届けてくれ、ラペイエサイ(路上のお茶屋さん)でお茶を頼めば隣の人が奢ってくれる、とにかく外国人や助けを必要としている人に優しい、そんな国だ。

そしてミャンマーは、お茶の国。

インドのチャイでも、イギリスのティウィズミルクでもない、独特のスタイル。

紅茶をほうじ茶のように香ばしく炒って、コンデンスミルクをたっぷり入れた、スモーキーで香ばしい、甘い甘いミルクティー。
このミャンマースタイルのミルクティーを、『ラペイエ』という。

ミャンマーは、隣り合わせの大国・インド、中国、タイを足して3で割ったような、そんな印象。
色んな国の影響を受けながらも、それが見事に混じり合って、輝くような存在感を放つ。

それこそが、ミャンマーというアイデンティティ。

この混乱の今を、人々はどう過ごしているんだろう。
あの穏やかに流れる、ラペイエサイでの時間はきっと今は、ない。

パゴダのように黄金色に輝くラペイエを、皆がまた味わえる日が来るのだろうか。

今私にここで出来ることは何かを、毎日考えている。